面白くて眠れなくなる植物学 著:稲垣栄洋

構成

 生物学の中の一分野である、植物学。無味乾燥で面白くないイメージのある植物学ですが、実際はとても面白いのです。そんな、「面白くて眠れなくなる」植物学の知識集。
 ページ数は、約200ページ。難易度は、高校で生物を選択した人なら、「知ってる」となる話が多く、数式や難しいグラフ、理論などはあまり出てこないので、理系に苦手意識がある人にもオススメできます。

内容と感想

 空気圧の関係で、どんなに強力なポンプを使っても、10m以上水を持ち上げることはできない、しかし、10mを超える木は普通に生えている。木はその先端までどのようにして水を供給しているのでしょうか、また、木は何メートルまで水を持ち上げることができるのでしょうか。
 例えば、この話のように、本書は、様々な植物の不思議、とそれがどのような原理に基づいているのかについて書いてある本です。
 本書で扱われている植物学は、高校生物でその一部を学ぶのですが、高校レベルの生物は、どうしても「覚える科目」というイメージが強いと思います。私は、高校で生物を選択した理系の一人ですが、周りに、「計算が苦手な人」や、「文系科目が得意な人」が多かったイメージが(笑)
 ですが、実際はその「覚える事」の背景には理論があって、「ただ覚える」人には難しい科目かもしれないけれど、「理解して、記憶する」人にとってはとても楽しい科目だったりするのです。(実際の試験では、理解して、記憶した知識をもとに、グラフや表から未知の現象について考察する問題があったりするのです)
 難易度としては高校生物レベルで、高校で生物を選択した人には、これ知ってる、となる内容もあるのではないでしょうか、しかし、高校で生物を選択した人は 少ないと思うので、「ほお」と思う人の割合は高いと思います、また、現在、高校で生物を勉強中の人には、授業で習ったことの背景にある原理がわかって、理 解の助けになると思います。
 生物学を勉強中の人、植物に興味のある人は読んで損はないでしょう。
 あと、タマネギを切った時に涙が出にくくするには、温めても、冷やしても、どちらでも効果はあります。