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完全教祖マニュアル(ちくま新書) 著:架神恭介 辰巳一世 

書評:ノンフィクション・実用書

構成

 宗教の教祖とは、「お金をもらって人をハッピーにさせる仕事である」 
大工の息子や商人のような一般人でも、教祖になれば、お金がもらえて、尊敬されて、さらに歴史に残る可能性も!
 「宗教」について書かれた本はたくさんあっても、これまで「教祖になる方法」について書かれた本はありませんでした。この本は、様々な宗教を分析し、思想、資金集め、組織作りの方法、信者の集め方、弾圧への対抗策など、教祖となる上で必要な事項のみを集めた「教祖になる」ための一冊。
 この本を読めばあなたも宗教団体の教祖になれる。
序章 キミも教祖になろう
第1部 思想編
第1章 教義を作ろう
第2章 大衆に迎合しよう
第3章 信者を保持しよう
第4章 教義を進化させよう
第2部 実践編
第5章 布教しよう
第6章 困難に打ち勝とう
第7章 甘い汁を吸おう
第8章 後世に名を残そう
 ページ数は236ページ、新書版

内容と感想

 まず、宗教解説本の中でも「教祖になる」ことについて書かれた本はとても珍しい。ただ、「悟り」を開かなければならないのではないか、「奇跡」を起こさなければならないのではないか、信者は集まるのかなど、教祖になり宗教を作る上で不安要素はたくさんある。しかし、キリスト教イスラム教もかつては「新興宗教」でした。本書はかつて新興宗教として旗揚げ? し、今では立派な宗教となったそれらから難しい解釈や哲学部分の解説はさておいて、「教祖になる方法」に重点をおいて書かれているので、今すぐにでも教祖になれる。
 思想や信者の集め方、組織作りの方法について、古くからの伝統宗教として有名な「キリスト教」「イスラム教」「仏教」を中心に様々な宗教から選りすぐった内容が載っている。
 教祖とは「お金をもらって、人をハッピーにする仕事」であるので、いわゆるカルト教団についての記述は少なめ。
 とにかく、人から尊敬され、お金がもらえて、歴史に残る仕事、である「教祖」を目指す人は読んでおいて損はない一冊。
 そして、「別に教祖にならなくてもいいや」という人も、本書を読めば、宗教がどのように広がっていたか、そして、断食や修行、儀式といった一般的には「なぜこんなことするの?」と理解しがたい「宗教上のルール」について、「教祖になる」という側面から見てみると、その必要性が意外なほどよく分かる。