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【感想・ネタバレ】ドント・ブリーズ

映画

どんな映画?

 空き巣を繰り返すロッキー、アレックス、マニーの若者3人組がイラク戦争退役軍人の家に強盗に入る。相手は盲目の元軍人、強盗はすぐに終わるはずだったのだが…
 驚異的な聴力と戦闘力を持つ軍人から逃げたければ息をする音すら消さなければならない…


映画 『ドント・ブリーズ』 予告

映画の内容

 細かく書くので長くなります。簡単に言えば、空き巣の若者vs盲目の殺人マシーン、みたいな感じです(笑)

序盤:退役軍人宅への侵入まで

 空き巣を繰り返すロッキー、アレックス、マニーの3人組。彼らはセキュリティ企業経営者の息子であるアレックスの手を借りて空き巣を繰り返していた。
 そんなある日、彼らはイラク戦争の退役軍人が莫大な金を持っていることを知る。デトロイトで暮らす両親と決別し、ロサンゼルスへ引っ越そうと計画しているロッキーはアレックス、マニーとともに退役軍人の家に侵入し、金を奪う計画を立てる。退役軍人は資産家の娘が起こした交通事故で自らの娘を失い、その賠償金として多額の現金を手にしていたのだ。
 午前2時、3人組は薬で犬を眠らせてから、退役軍人の家に侵入する。軍人は用心のために扉に鍵をたくさん取り付け、窓に鉄格子をはめ、猛犬を飼うなどしていたが、イラク戦争で負傷した退役軍人は目が見えない、寝ている間に侵入し金を奪うぐらい楽勝だ、と3人は考えていた。

中盤:退役軍人が目を覚まし、追われることになる3人組

 退役軍人の寝室で睡眠ガスを発生させたマニーは、廊下の明かりをつけるなど、大胆な行動に出る。もともとあまり乗り気でなかったアレックスは盲目の元軍人から、彼が失った娘の賠償金として得た金を盗むことに嫌気がさし、先に帰ってしまう。一方、金が隠してありそうな頑丈な鍵のかかった扉を見つけたマニーはそれを開けるために持っていた銃で鍵を撃つ、とその時、寝室の扉が開き、そこには盲目の退役軍人が立っていた。薬で眠らせたはずの軍人が目を覚ましていることに驚いたが、相手の目が見えないこと、銃を持っていることに自信を持ったマニーだったが、相手は盲目ながら凄まじい力でマニーから銃を奪い、彼に突きつける。「何人組だ」と聞く退役軍人に、「一人だ、見逃してくれ」と頼むマニーだったが、退役軍人は彼を射殺する。彼は盲目であるため、同じ部屋のクローゼットの中に隠れはロッキーの存在には気づかなかった。その後、マニーの死体を運んだ退役軍人は家中の扉や窓を施錠し、金のありかであるクローゼットの中の金庫を確かめる。先に帰ろうとしたアレックスだったが、銃声を聞き家の中に戻る。廊下で軍人とすれ違うアレックスだったが相手は盲目であるため彼に気付かない。
 この時、退役軍人は、開いていた扉の下にアレックスとロッキーの靴が置いてあるのを見つけ、他に侵入者がいることを知ってしまった。窓や扉を施錠され、家の中に閉じ込められたロッキーとアレックスは、地下室の扉から外に出るため、地下へと向かう。
 倉庫のような地下室の一角に明かりがつくと、そこには若い女が囚われていた。女は、古びた新聞記事を見せる。それは、交通事故を起こした女が無罪になった、という記事。彼女は交通事故で軍人の娘の命を奪った資産家の娘だったのだ。警察に通報しようとするアレックスと、通報すれば手に入れた金を失うためそれに反対するロッキー。鍵束を見つけた二人は資産家の娘の手錠を外し、地下室の扉を開けるが、そこには退役軍人がマニーの拳銃を持って立っていた。彼は銃を撃ち、その弾は資産家の娘を殺す。地下室から逃げ、一階の玄関の鍵を開けることにした二人。一方、退役軍人は地下室の電源を落とす。アレックスとロッキーにとっては暗闇の地下室だが、家の構造を把握し、驚異的な聴力を持つ盲目の退役軍人にとって、地下室が暗闇であることは何の障害にもならない。少しでも物音を立てれば、退役軍人はその音の方向に正確に銃を撃つ。アレックスを地下室の棚ごしに掴み、銃を撃とうとする退役軍人だったが、銃は弾がなくなり撃てない。アレックスは首を絞められるが、棚が倒れ、そこから逃げ出す。
 どうにか地下室を出る二人だったが、一階の廊下には薬で眠らせたはずの犬がいた。犬に追われ、二階へ逃げる二人は子供部屋に入り、タンスで扉を塞ぐ。だが軍人はタンスで塞がれた扉に体当たりし、押し開けようとする。ロッキーは天井の通気口へと逃げるが、アレックスは退役軍人によって二階から投げ落とされる。アレックスは一階の天窓の上に落ち気を失う。退役軍人は寝室のベット下から自らの拳銃を手に取り、アレックスを撃つ。一階に落下したアレックスは退役軍人との格闘になり、軍人はアレックスをハサミで刺し殺す。

終盤:退役軍人が資産家の娘を監禁していた理由を話す場面から 

退役軍人は通気口から外へ出ようとしたロッキーを捕まえ、拘束する。目を覚ましたロッキーに対して、退役軍人は、父と娘の絆などわかる訳がない、他人の命を奪ったとしても金の力で無罪になれる人がいる不公平を語る。
 退役軍人は、失われた自らの娘の代わりに、資産家の娘に自らの子供を産ませようとしていた。しかし、資産家の娘は銃で撃たれて死んでしまっている。彼は、自らの子供をロッキーに産ませようとしていたのだ。レイプをする目的はない、と話す退役軍人は、冷凍保存しておいた精液をスポイトにとって、ロッキーの子宮に入れようとするが、そこにハサミで殺されたかに思われたアレックスがハンマーを持って、軍人を襲撃する。ハサミはマニーの死体に刺さっていたのだ。間一髪のところでアレックスに助けられたロッキーだが、アレックスは銃で撃たれて死亡、家の外に逃げ出したロッキーも再び退役軍人によって家に連れ戻されてしまう。アレックスが持っていた警報装置のリモコンで警察を呼び、大音量のサイレンで混乱した退役軍人を金属棒で殴り、その場を逃げ出すロッキー。
 後日、妹とともにカリフォルニアへ行く列車に乗るため駅にいるロッキーは、イラク戦争の退役軍人宅に強盗が入った、というニュースを聞く。強盗は二人組、退役軍人は病院に運ばれ無事と報道され、自分について触れられていない、と知ったロッキーは列車に乗る。

映画の感想

映画の作りについて

 音楽や効果音などない中、ひたすら息を殺して盲目の退役軍人をやり過ごす恐怖、かくれんぼで見つかるかもしれないドキドキ感みたいな感覚を期待していた私からすればその辺は期待ハズレだった。
 ホラー映画やスリラー映画の盛り上げ方、については詳しくないのだが、全体的に恐怖を煽る音響(?)が多用されていたり、主人公側も結構物音を立てながら動いていて、予告編で廊下をすれ違うシーンのような、迫り来る相手を必死にやり過ごす、というような「ステルスホラー」というか、何も動きのないことの恐怖、があまり感じられなかった。もちろん、見つからないように息を殺すシーンもあるし、そういったシーンでこれまでの音響がなくなることで沈黙が強調される、というのはあったけど、全体としてもう少し静かな感じを期待していた。一方が見つかりそうになった時に、もう一人がわざと音を出して注意を逸らすとか、声で意思疎通できない感じとか、目は見えないけれど異常に発達した聴力を持つ、いわば「世界の認識方法が違う相手」との対決、については物足りなかったかも。

盲目の退役軍人vs3人組

 これは良かった。軍人は盲目なのだけれど家の構造を頭に入れて少しの物音にも反応して銃を撃ち、明かりを消して自らに有利な状況を作り、さらに猛犬とのコンビで相手を追い詰めて行く。
 退役軍人役は映画アバターで悪役のボス、クオリッチ大佐を演じた人物で筋肉マッチョのかっこいいおっさん(本当にそうなんだぞ)だ。
 個人的に退役軍人側に肩入れして映画を見ていたのもあって、ロッキーに逃げられてしまうラストは予想していなかった。
 だって強盗に入ったのそっちじゃん? みたいな。
 最後まで金に執着するとか、警察に通報するけど自分は金を持ってその場から逃走するとか、主人公の行動と心理がイマイチ理解できなかったせいもあるけど、軽率な自分たちの行動を心底悔いながら絶望のうちに死ぬとか、捕らえられたままでいるようなエンディングが欲しかったなぁ。
 ホラー映画だから、最後はそんなバッドエンドが来て後味悪く終わるに違いないんだと思ってた。

総評など

 盲目だけど凄まじい聴覚を持ち、しかも高い戦闘能力を持った老人、という魅力溢れる設定が良い。退役軍人役のスティーブン・ラングもかっこいいし、悪役が正体不明の快楽殺人者や祟りや呪いでないところも面白い。
 ただ、その設定を活かしきれなかった感じがある。全編通して結構喋ってるし。一歩一歩近づいてくる相手に対して息を潜めてやり過ごすとか、仲間を助けるためにあえて音を出して退役軍人を引きつけるけど、そのせいで自分が危うくなるとか、そんなシーンが欲しかった。
 目は見えないけど高い聴力を持つ、逆に言えば、どれだけ近づかれても音さえ立てなければ大丈夫、という緊張感が欲しかった。
 

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