自律訓練法の実際 -心身の健康のためにー 佐々木雄二 著
構成
自律訓練法や、催眠を使った治療の簡単な歴史から、自律訓練法の具体的な練習方法まで、書かれている本であり、自律訓練法を習得したい人には良い本だろう。心理学の詳しい知識が無くても読むことができる。
第一章から、第五章までに、自律訓練法の具体的な練習法、第六章から第七章には、自律訓練法を使った治療とその経過、第八章から先は、自律訓練法の発展について書かれている。
第一章 自律訓練法を学ぶ前に -ストレスと緊張ー
第二章 自律訓練法とは何か -催眠法から自立訓練法へー
第三章 自律訓練法を始める前に -標準練習のための準備ー
第四章 自律訓練法の基本練習 -重感練習と温感練習ー
第五章 標準練習の発展 -内蔵の働きの調整ー
第六章 自律訓練法の練習経過 -I氏とSさんの場合ー
第七章 自律訓練法を基盤にした治療 -気管支喘息 Aさんの場合ー
第八章 黙想練習 -イメージ誘導の自己訓練ー
第九章 特殊練習 -からだへの公式とこころへの公式ー
第十章 自律訓練法と発散 -自律性除反応についてー
第十一章 自律訓練法の周辺 -催眠・自己暗示・座禅ー
内容
自律訓練法、という言葉をご存じだろうか。
(wikipedia)によれば、
自律訓練法(じりつくんれんほう、autogenic training)とは、1932年にドイツの精神科医シュルツ(Schultz,J.H.)によって創始された自己催眠法であり、治療技法である。ストレス緩和、心身症、神経症などに効果がある。
自律訓練法は厳密には複数の訓練からなる。「標準訓練」、「黙想訓練」、「特殊訓練」などである。この内、中心になるのは標準訓練で、これが自律訓練法の基本的かつ必須の部分である。
とある。
自己催眠法や、催眠術と言うと、怪しげな感じはするが、実際に、催眠術を利用した精神療法や、実験は存在し、研究も行われている。
(さすがに、テレビや映画のような催眠はかからないとおもうが。)
本書でも、ストレス緩和や、心身症、神経症に効果が、ある、としていが、偽うつ病や、気管支喘息まで、なんでも治る、というわけではなく、正しい治療や、なぜ病気が発生したかの原因まで調べていかなければならないのが、精神医療の難しいところだろう。
ただし、自律訓練法を身に付けたい人には、本書はおすすめの一冊だ。インターネットでも、自律訓練法のやり方自体は、書いてあるが、詳しい方法や、コツまで、詳細に書かれているものは、すくない。実際、私もインターネットを参考にしながら、自律訓練法の練習をしていた時は、あまり、うまくいっていなかった。基本は、公式を繰り返すだけだが、それだけにとどまらないコツが必要なのだ。
本書では、一つの章ごとに、各公式の練習法や、コツが書かれている。実際に、自律訓練法を身に付けたい人は、この、具体的な練習法の書かれた部分を読みながら、練習すると良いだろう。それ以降の実際の経過や、自律訓練法の発展版である、特殊練習などは、読み飛ばしてしまっても問題はない。
感想? ではないけれど、自律訓練法の練習の結果は、重感練習(手足が重い)から、呼吸練習あたりまでは、すんなりと進んだ。最後の、額が涼しい、という公式のみ、感覚がつかめていない。
(画像は、amazonより)