暗殺者が出て殺す! ジョンウィック3 パラベラム (ネタバレあり)

どんな映画? 総評 ジョン・ウィックシリーズが好きなら、是非みるべし。前作「ジョン・ウィック2」、前々作「ジョン・ウィック」は見ている前提で話が進んでいるので、しっかり予習しましょう。前回までに比べてアクションの感じが大きく変わっており、笑え…

地下1.5kmの核シェルター 核戦争小説を読もう第6回 モルデカイ・ロシュワルト「レベル・セブン」

前回は「核戦争版ワールド・ウォーZ」ことウォーデイでした。 the-level-seven.hatenablog.com どんな本? 総評 好み度★★★★★やりすぎ核シェルター度★★★★★ 地下5000フィート(1.5キロ)という場所にある500年生活できる巨大シェルターという時点ですでに面白…

核戦争版「ワールド・ウォーZ」 核戦争小説を読もう第5回 W・ストリーバー,J・W・クネトカ「ウォー・デイ」

前回はこちら the-level-seven.hatenablog.com どんな本? 総評 好み度★★★★★リアル度★★★★★ 作家2人が核戦争後のアメリカを旅行しながら、各地の人々へのインタビューや噂、戦後の政府資料や世論調査などのデータを集めて「核戦争後のアメリカ」の姿を描くド…

宇宙旅行はバージン・アトランティックだ!「アド・アストラ」

どんな映画? 総評 先に総評を書いてしまうと「見る人を選ぶ映画」かもしれません。「インターステラー」とか「ゼロ・グラビティ」的なものを期待して行った人には退屈だったかも。映画館でも終了後、微妙に退屈した系の感想がちらほら。 「SF映画」というよ…

映画にもなりました 核戦争小説を読もう第4回 デイヴィッド・ブリン「ポストマン」

さて、今回も核戦争小説をゆっくり紹介してゆくよ。(違う)あ、でも紹介動画とか作って見たいかも。 前回は筒井康隆「霊長類 南へ」でした。 the-level-seven.hatenablog.comそのうち、各小説を2~3行ぐらいで紹介したページも作りたいですね。 どんな本? …

人が死にすぎるとコメディになる  核戦争小説を読もう第3回 筒井康隆「霊長類 南へ」

さて、いつまで続くか「核戦争小説を読もう」。第1回目は社会派推理小説作家の異色作、松本清張「神と野獣の日」 the-level-seven.hatenablog.com第2回目はパンジャンドラムの人こと、ネヴィルシュート「渚にて」 the-level-seven.hatenablog.com第3回目は、…

パンジャンドラムは出てこない 核戦争小説を読もう第2回 ネヴィル・シュート「渚にて」

全面核戦争・人類滅亡… それは来るべき未来なのか? 核戦争小説を読もう第2回です。 第1回目は松本清張「神と野獣の日」でした。 the-level-seven.hatenablog.com 第2回目はネヴィル・シュート「渚にて」です。 先に総評を(個人的な)好み度★★★★☆死ぬ前に何…

社会派推理小説作家の異色作 核戦争小説を読もう第1回 松本清張「神と野獣の日」

世紀末(ヒャッハー)や人類滅亡、ポストアポカリプスと絡めて語られる「核戦争」を扱った小説を読みます。様々な視点、方法で描かれているため、短編小説まではカバーしきれず、「核戦争の危機!」までは扱わないつもり。(核戦争が起きて、かつ、それがメ…

【映画・感想】オカダ100%「ザ・ファブル」

どんな映画 都市伝説、敵を6秒以内に殺す… などの逸話で知られ「ファブル」と呼ばれる最強の殺し屋が、「1年間、誰も殺さずに普通に暮らせ」という命令を受け「サトウアキラ」という偽名を使い、相棒のヨウコとともに大阪へ。ファブルは「プロとして普通に暮…

中途半端に小さいやつは怖いよね「滅びの笛」著:西村寿行

どんな本? ハードロマンと呼ばれる作風で知られる西村寿行氏の動物パニック小説。動物が群れをなして東へと移動するという現象が起こる中、山梨県山中でドブネズミが大発生する。家畜や動物を襲うドブネズミの大群はついに街を襲う… 内容と感想 動物パニッ…

一気読み推奨の大作SF 「天冥の標」シリーズ

どんな本? 小川一水氏によるSFシリーズ。2009年の「天冥の標I メニーメニーシープ」から、2019年の「天冥の標X 青葉よ、豊かなれ」まで、10巻17冊の大作SFシリーズです。 内容と感想は? 10巻17冊という大作ながら、時代もほぼ現代から宇宙軍が飛び回る時代…

ミッドナイト・ミートトレイン 真夜中の人肉列車 著:クライヴ・バーカー

どんな本? 表紙と題名のインパクトが強烈なこの本は、クライヴ・バーカーによるホラー短編集「血の本」シリーズの1冊です。表題作「ミッドナイト・ミートトレイン」を含む5作品が収録されています。 内容と感想は? 感想は、ものすごく怖いホラーや読んでら…

ビルの屋上や廃墟、下水道を探検したい貴方のために | Access All Areas

今回は新カテゴリー「洋書」です。 Access All Areas ってどんな本? 正式タイトルは Access All Areas a user's guide to the art of urban explotation、日本語に訳すと「全面通行許可 都市探検の技術についてのユーザーズガイド」でしょうか? 「立ち入り…

【感想・ネタバレ】移動都市/モータルエンジン

-暗い荒れ模様の春の午後。ロンドンは小さな岩塩採掘都市を追いかけて、旧北海の日上がった海底を疾走していた。- どんな映画? www.youtube.com 60分戦争で世界が荒廃したの後の地球、キャタピラや車輪の上に乗った都市が他の都市を喰う「都市ダーウィニズ…

山椒魚戦争 著:カレル・チャペック

-山椒魚総統はみなさんに協力を要請する。みなさんの世界を解体するため、われわれと協力していただきたい- どんな本? チェコの小説家カレル・チャペックによるSF小説。私が読んだものは岩波文庫(赤)で定価770円。 本のあらすじ 山椒魚の発見 赤道直下の…

潜航指令 証言 -北朝鮮潜水艦ゲリラ事件- 著:李光洙 訳:辺真一

-問題は江陵から38度線まで80キロ近くあることだが、夜間泳いで日中は陸に上がって隠れて休養をとる、というパターンを2、3日繰り返せばいけそうな気がした。- どんな本? 北朝鮮の潜水艦が韓国の江陵で座礁し、武装した工作員・乗組員が韓国に上陸、約2ヶ月…

【映画・感想】アメリカン・スナイパーと「ネイビーシールズ最強の狙撃手」

ー人を殺すのもそれが職業になればそのやり方に創意工夫を凝らすようになる。戦闘では、できるだけ強力な武器を投入したくなる。また、敵を倒す新しくて独創的な方法を、あれこれ考えるようになる。「拳銃で殺してなかったか? それじゃあいっぺんやってみる…

米軍が恐れた「卑怯な日本軍」 帝国陸軍戦法マニュアルのすべて 著:一ノ瀬俊也

どんな本? 地雷や手榴弾を使った仕掛け兵器、夜襲や狙撃、投降したふりをして騙し討ち… 現場の兵士が創意工夫で生み出した罠になんと「対空地雷」まで。米軍が作成したマニュアル「Punch Blow the Belt」(ボクシングでベルトの下を攻撃すること、だまし討…

ΑΩ 著:小林泰三

どんな本? 人間とは全く違う生命体である「ガ」はガの一族を攻撃した「影」を追って地球へやってくるが、その時に航空機と衝突、墜落させてしまう。地球に降り立ったガは、地球上での生命維持の為に墜落した航空機に乗っていた会社員、諸星隼人の体を借りる…

【感想】ジョン・ウィック チャプター2

どんな映画? マトリックスなどで有名なキアヌ・リーブスが伝説の殺し屋「ジョン・ウィック」を演じて大ヒットしたアクション映画「ジョン・ウィック」の続編。 映画の内容 逃げるバイクとそれを追うジョンの車。冒頭からのカーチェイスの末、バイクの男を殺…

ブラックボックス展の追記

ブラックボックス展と痴漢の話 先日ブラックボックス展について書いたけれど、気になる記事をいくつか見たので追記します。 ブラックボックス展の感想を見るに酷評とかじゃなく、問題になりそうなものがいくつかあった。 「何もないじゃねーか、クソが」系の…

【行ってみた】ブラックボックス展 ー感想と考察ー

どんな展示? twitterで有名な「サザエbot」の中の人、「なかのひとよ」氏による展示会。「展示内容を口外してはならない」という規則に同意した人だけが見ることができるその展示会は、「何やらとてつもない展示である」として話題になって行った… 内容と感…

軍事大国ロシア 新たなる世界戦略と行動原理 著:小泉悠

どんな本? 冷戦終結後の世界情勢の中で、ロシアがクローズアップされる出来事が増えている。ロシアのプーチン大統領は、世界でもっとも影響力のある人物に選ばれた他、クリミア半島の併合、最近ではシリア空爆など、多極化する世界の中でロシアの存在感が増…

【行ってみた】クエイ兄弟 ファントムミュージアム

どんな展示? 悪魔的、幻想的、と言われる映像作品「クロコダイル・ストリート」などで有名な芸術家クエイ兄弟。 その学生時代のドローイングから、映像作品、そして、クエイ兄弟が手がけた舞台芸術やインスタレーションまでを網羅した、アジア初の本格的回…

玩具修理者 著:小林泰三

日本ホラー小説大賞短編賞受賞作「玩具修理者」そして、「酔歩する男」の二作品を収録 あらすじ 「玩具修理者」 男と女が喫茶店で話している。女はいつもサングラスをかけており、男がその理由を聞く。女は事故に遭い、そのためサングラスが必要になった、と…

【感想・ネタバレ】ドント・ブリーズ

どんな映画? 空き巣を繰り返すロッキー、アレックス、マニーの若者3人組がイラク戦争退役軍人の家に強盗に入る。相手は盲目の元軍人、強盗はすぐに終わるはずだったのだが… 驚異的な聴力と戦闘力を持つ軍人から逃げたければ息をする音すら消さなければなら…

【感想】人類遺産

どんな映画? ロングランヒットとなった「いのちの食べ方」などのドキュメンタリー映画監督、ニコラウス・ゲイハルター氏の作品。人間の手によって作られ、利用され、そして放置されて朽ちてゆく廃墟に焦点を当てた作品。 『眠れぬ夜の仕事図鑑』などのニコ…

【感想・レビュー】映画:虐殺器官

ー人間は見たいものだけしか見えないようにできているんだーー私たちの世界には指一本触れさせないー どんな映画? ガンにより、若くして亡くなったSF作家、伊藤計劃のデビュー作「虐殺器官」をアニメ化した作品。サラエボが手製の核爆弾で消滅した後、先進…

【感想・レビュー】カレ・ブラン

どんな映画? 管理社会、人肉食、「家畜」と「社畜」…勝者は「社畜」となり、敗者は「家畜」となるディストピア世界を描いたフランス映画 映画『カレ・ブラン』予告編 あらすじ 主人公フィリップの母は、人肉加工会社に勤めていたが、「心を隠しなさい」と言…

【ネタバレ・感想】映画「プラトーン」

どんな映画? 延々と続くゲリラ戦、高温多湿な環境で消耗する部隊、部隊内部での争いや、民間人殺害、レイプなど、ベトナム戦争に参加した兵士は何を見たのか? 実際に従軍したオリバー・ストーン監督が、脚本、監督し、ベトナム戦争の世界を描く。 プラトー…