【行ってみた】ブラックボックス展 ー感想と考察ー

どんな展示?

 twitterで有名な「サザエbot」の中の人、「なかのひとよ」氏による展示会。
「展示内容を口外してはならない」という規則に同意した人だけが見ることができるその展示会は、「何やらとてつもない展示である」として話題になって行った…

内容と感想

 私はこれをtwitterで知った。
それまではサザエbotなどその存在も知らなかった。
そして、展示会の内容を確かめるべく、現地へと向かった。

予想以上に予想通りだった。カーテンで区切られた暗室の中には「何もなかった」

 ブラックボックスとはなんだろう? 
 ブラックボックスとは入力と出力はわかるけれどどのような加工をしているのかは分からない、そんな箱のことだ。
 例えば、3×a=9 で,2×a=6 このとき、入力とそれに対する出力はわかる。
(入力:3→出力:9 入力:2→出力:6)このときのaがブラックボックス、というわけ。
 今回のブラックボックス展では、その展示内容はわからなかった。しかし、twitterリツイートされ、たくさんの人が並んでいる、という入力とtwitter上での感想という出力は分かっていた。
 入場の列に並んで人を観察していると、前後の人はtwitterで書き込みをし、並ぼうとして歩いてくる人もスマホを片手に、出口から出た人も、門番に弾かれて入れなかった人もすぐにスマホを取り出していた。
 中身については不明のまま、入力と出力の情報は拡散されていく。
そして、ブラックボックス展は、それに関する情報が真実であるか、偽の情報であるか、に関係なく、「twitterで話題」ということによって、価値を持った。
 私たちが日々目にして、ツイート、リツイートしていること、実はなんの価値もないのかもしれない。
 あの門番の「選別」もほとんど意味のないものであったに違いない。
 

 何もない展示会を見終わるとカードをもらえる。そこには内容や配布物に関して、一切公言しないこと、そして、内容に触れない感想であれば、酷評でも絶賛でも書くのは自由であること、嘘の感想を書くことも許可するということが書かれていた。
 そして、ブラックボックス展に関して調べると一番よく見かけた感想は偽の内容であった。
 カードには偽の感想を思いつかなかった人のために、偽の感想の例を募集するサイトのURLが書かれていた。
 偽の感想を投稿してください(Post Truth)という入力欄があった。この”Post Truth”とは、トランプ大統領の発言で有名になった「フェイクニュース」が話題になり、それが大きな影響力を持つ、「真実以後の時代」という意味で最近使われるようになった言葉だ。(Postには〜後、という意味がある)
 偽の感想を入力する欄に「Post Truth(真実を投稿する)」という入力欄があることと、偽の感想ですら他人の受け売りであることへの皮肉だろう。
 そして、現在そのURLには「自分で考えよう」とある。

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痴漢騒動について思うところありまして追記しました。

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